産業カウンセラーとは《資格・収入など》


産業カウンセリングとは、応用心理学に基づいて、従業員の精神的健康をトータルケアするお仕事であり、それを行う人を産業カウンセラーといいます。

産業カウンセラーの特徴

産業カウンセラーの資格は、1992年から2001年まで旧労働省が試験を実施する技能審査であり、公的資格として認定されていましたが、2001年より技能審査から除外され、現在では一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格となっています。

産業カウンセラーの活動領域は主に3つに分けられています。

①精神的な不調に対して予防を行ったり、精神的不調を早期発見・ケアたのために力を尽くしたり、復帰支援を行い再発防止に努めたり、職場環境の改善を提案したりというメンタルヘルス対策への援助

②働く方が自立的に生涯の職業を設計できるように援助したり、職業において必要な能力開発を行ったり、キャリアに関する様々な問題を解決する支援を行ったり、悩みに対する相談を受けるなどの、キャリア開発への援助

③職場のセクハラ・パワハラなどの相談を受けたり、そのような事態が起こらないように研修を行ったり、職場でのコミュニケーションが円滑に行われるようにワークショップ形式で研修を行ったりする、職場における人間関係開発への援助

このように、「職」に関わる様々な支援を心理学や心理カウンセリングに基づいて行うことが、産業カウンセラーの特徴です。

また産業カウンセラーは資格取得や知識レベルにより3つに分けられています。

これまで協会の規定により初級、中級、上級となっていましたが、現在では「産業カウンセラー」「シニア産業カウンセラー」「キャリア・コンサルタント」という名称になっています。

 

産業カウンセラーの仕事

産業カウンセラーは上でもご説明したように、「職場」や「仕事」での人々の悩みを解決していくお仕事です。職と関わる環境で、カウンセリングや支援を行うことが主なお仕事となります。

また、企業の中で従業員や社員に対してメンタルケア全般を担当する場合もあります。

実際の仕事は、心理カウンセリングと類似する部分が多くあります。そのため、その他のカウンセラー業とは明確な境界があるわけではありませんが、企業の中で行われるカウンセリングやサポート活動を中心に行ってうことが産業カウンセラーのお仕事です。

働き方としては、専任カウンセラーとして企業や自治体の職員となり相談室に常駐したり、現在カウンセラーとして活躍されている方が、資格取得や実務経験を積むことにより、産業カウンセラーとしても活躍できるようになる形などがあります。

現在、職場でのセクハラ、パワハラや、ブラック企業といわれる職場での過剰労働などにより、社会的なメンタルヘルスに注目が集まっています。そのような風潮の中で、産業カウンセラーの活動はそれらのハラスメント防止への支援やキャリアに関するカウンセリング、心理ケアなど多岐に渡り、様々な職場で必要とされている人材でもあります。

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産業カウンセラーが関わる対象は、企業や組織で働く経営者や労働者、またその家族の方々まで含まれます。カウンセリングや組織への問題解決や支援、教育などの活動を行うことで、個人が抱えるそれぞれの問題から、組織や企業が抱える様々な心の問題を解決する重要性がましているのです。

これらの解決のための支援により、快適な職場環境を作ることが産業カウンセラーの仕事の一つでもあります。

また産業カウンセラーの資格は、カウンセラーになりたい人だけではなく、人事労務に関連する職場で働いている方、管理職クラスや経営者クラス又は将来的にその地位を目指している方など、企業内で相談されやすい立場の方が知識や見識を深める為にも役立つとされています。

 

産業カウンセラーの資格を取得するには

産業カウンセラーは民間資格となったため、正しい知識がある方なら資格保有者でなくとも産業カウンセリングを行うことは可能ではあります。

しかし、一般社団法人日本産業カウンセラー協会の規定により「産業カウンセラー」と名乗るには、協会の資格取得が必要とさます。

日本産業カウンセラー協会が認定する産業カウンセラーの資格を取得するには、一年に数回、主に1月に開催されている産業カウンセラー試験に合格することが条件となります。

この試験を受けるためには、受験資格が必要です。
受験するために必要とされる資格は下記の様になっています。

①成年に達したもので、協会が行う産業カウンセリングの講座を修了した方

②4年制大学学部で心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの学部の卒業生または、専攻していた卒業者であり、協会が規定する単位を習得した上で、かつ協会が行う産業カウンセリングの講座を修了した方

③大学院研究科において心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれか専攻の修了者であり、協会が規定する単位を習得した方

これらの受験資格を取得した上で、開催される資格取得試験に合格すると、産業カウンセラーの資格を得ることができます。

 

産業カウンセラーの収入

企業内での活躍が期待される産業カウンセラーですが、収入金額は特段高額となることはなく、産業カウンセラーのみの収入に頼って生活していくのは難しい状況です。

その理由として、産業カウンセラーとしての雇用形態は正社員が少なく、非常勤などの不安定な形が多いためです。非常勤となると時給制での収入となりますので、必然的に収入が少なくなってしまいます。

そのため上で説明したように、人事労務関連、管理職クラスや経営者クラス又は将来的にその地位を目指している方など、企業内で相談されやすい立場の方が、知識や見識を深める為に取得されるケースが一般的です。


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