家族相談士とは《資格・収入など》


家族相談士とは、日本家族心理学会と日本家族カウンセリング協会が共同して開設した資格制度であり、家族心理士・家族相談士資格認定機構によって認定される資格です。

家族相談士の特徴

家族相談士は、家族の中で発生する様々な問題や、葛藤、混乱などについて、持っている心理学の知識を活用して対処し、家族関係の調整、家族への心理的な支援行います。

日本家族心理学会と日本家族カウンセリング協会は、近年件数が増加、明らかになっている家族間の問題に対し、研究と活動を行っています。

そのような団体によって作成された講座を受講して認定される家族相談士に求められるのは、家族関係を良くすることや問題解決への支援、健康な家族を作るための助言や指導です。

家族相談士の仕事

家族相談士の重要な役割として、「家族カウンセリング」があります。

家族カウンセリングとは、アメリカで1960年頃から広まった、家族への心理的援助を行う理論と方法です。

家族の問題は、その問題の大きさに関わらず、少なからず最も身近な関わりを持つ家族の影響を受ける事となります。家族カウンセリングでは、家族を一つのまとまり、システムとして捉えることにより、そこで発生している問題や歪みを見つけ、正常な状態に戻していく支援を行っていきます。

家族からのアプローチは、いじめやひきこもりなどの教育分野や統合失調症の治療でも重要視されています。そのためこの家族カウンセリングは、新しい手法として米国で発展してきたのです。家族相談士は、この家族カウンセリングを用いて、家族間の問題解決支援に取り組みます。

家族相談士が実際に活動する現場としては下記のようなものがあります。

■教育の現場
保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、塾、養護学校など

■福祉の現場
特別養護老人ホーム、身障者施設、養護施設、作業所など

■医療の現場、地域社会関連では
市町村住民の家族個別相談、電話相談、健康な家族つくりの援助・指導など

■家庭裁判所の現場
家裁調停委員など

その他啓蒙活動として、講演、セミナーの講師、家庭関係学習会などのリーダー地域、産業、教育、文化活動における家族カウンセリングの普及活動などがあります。

家族相談士の資格を取得するには

家族相談士の資格を習得するには、下記の必要要件を満たすことが必要です。

資格取得要件①

日本家族心理学会、もしくは日本家族カウンセリング協会に入会後2年以上経過した会員であり、両団体が主催する研修会やワークショップにおいて、定められた学習を修了、かつ臨床経験を持っている方

定められた学習は、以下の領域と時間数となります。(合計66時間以上 。)

  • 人間発達研究の領域・・・12時間以上
  • 夫婦家族研究の領域・・・24時間以上
  • 夫婦家族療法の領域・・・24時間以上
  • 倫理・法律の領域 ・・・ 6時間以上

資格取得条件②

家族心理学の領域で、研究実績がある、もしくは臨床実績を持っている方。

資格取得条件③

家族相談士養成講座を受講し、それぞれの領域において3分の2以上出席した方。(別途臨床経験が必要となります。)
家族相談士養成講座を受講するには、下記の受講資格が必要です。

家族相談士養成受講資格
・日本家族心理学会、もしくは日本家族カウンセリング協会に1年以上在籍している方
・臨床心理士、学会認定カウンセラー、産業カウンセラー、医師、社会福祉士、保健師、看護師、保育士などの資格を保有している方、または職務をお持ちの方。

家族相談士の収入

家族相談士は職務資格ではないため、資格取得により特定の職業に就職できるわけではありません。また、すぐに収入がアップするなど、給与に反映されるわけではないため、その点をしっかり把握しておきましょう。

ただし現在の職業により、業務に関連する資格の取得に対して資格手当てや資格取得奨励手当てが出るような場合もあり、認定されれば手当てを受けることができる企業もあります。

就職に特別に有利な資格というわけではなく、病院や福祉施設などの就職に関しては難しい点もありますが、現在産業保健師や産業看護師、もしくは幼稚園に勤める看護師などの職業の方であれば、転職などには有利に働くこともあります。


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