スクールカウンセラーとは、学校などの教育機関でカウンセリングなどを行う仕事や、それを行っている人のことです。
スクールカウンセラーの特徴
スクールカウンセラーは近年大変注目を集めています。活躍の場が教育現場であり、青少年の育成に携われるということで、やりがいも充実度も高いお仕事であり、希望される方も多くいらっしゃるのが特徴の一つです。
スクールカウンセラーについては、ここでご紹介している他の資格のように「スクールカウンセラー」という資格があるわけではありません。
文部科学省が認定する「スクールカウンセラー」の応募要件を見ると、スクールカウンセラーとして学校で活躍するには、臨床心理士や精神科医の資格を既に持っているなど、高度な知識と資格を保有していたり、大学で心理学を学び、大学院でも専門分野を修了していることが条件とされています。
しかし、臨床心理士や精神科医の資格を持っている方は、スクールカウンセラーを希望されない方が多いのが実情です。
スクールカウンセラーになりたいなら、これから数年の間がチャンス!
スクールカウンセラーになることを希望される方にとって、これから数年の間がチャンスだといわれています。それは教育の現場で心理学の知識を持っている人材が必要とされているにも関わらず、現在では圧倒的に人手不足だからです。
近年の学校教育の様々な問題や、いじめ、不登校、ひきこもりなど複雑化した心の問題の増加に伴い、文部科学省も全ての学校にスクールカウンセラーを配置しようとする動きが出てきています。
スクールカウンセラーの需要が大きく高まってきたにも関わらず、これまでの登用条件のままでは、スクールカウンセラーが増えることはなく、大切な教育現場での心のケアが充分にできませんでした。
そこで、現在は臨床心理士や精神科医の資格を持っていなくても、スクールカウンセラーになれる制度が徐々に整いつつあるのです。
現在、スクールカウンセラーを必要とする多くの教育現場では、スクールカウンセラーの応募条件を変えて募集をしているところがほとんどです。その条件とは給与の金額です。
これについては下記の「スクールカウンセラーの収入」で詳しく説明しますが、そのような条件を付けることで、臨床心理士や精神科医ではない方でも、心理カウンセリングの知識や資格を保持し、充分な素質があれば、スクールカウンセラーとして活躍することができるようになっているのです。
スクールカウンセラーの仕事
スクールカウンセラーはその名の通り教育機関でのカウンセリングがメインとなります。生徒はもちろんのこと、その保護者や教員に至るまでが対象となります。
スクールカウンセラーとして最もやりがいを感じる仕事の一つが、生徒との関わりでしょう。学習の場面で問題を抱えている生徒や、他の生徒とうまく関われない生徒と関わり、問題解決のために支援を行う事となります。
その子の性格の特性や、得意・不得意なところを把握して、それぞれの生徒に合った関わり方を考え、行動できるかがスクールカウンセラーの腕の見せ所であるといえるでしょう。
この関わりが適切であれば、その生徒はできることが増え、生活がしやすくなり、自信を持つことができます。この“自己肯定感”を育てることが最も有効であり、このプロセスに関われることはスクールカウンセラーとしての大きなやりがいの一つでしょう、
またスクールカウンセラーの仕事として近年重要度が増しているのが、大きな災害時や、学校内での事故や事件、いじめやいじめによる自殺などへの対応です。
過去にあったような学校に関わる大きな事件や、何かしらの事件や事故は、今後も発生していくことが考えられます。そのような緊急時における心のケアは大変重要であり、そのような場面でのスクールカウンセラー役割はとても大きなものとなります。
スクールカウンセラーが行う仕事を具体的にご説明していきます。
■カウンセリング
生徒へのカウンセリング、保護者へのカウンセリング、教員へのカウンセリングなどがあります。
■コンサルテーション
コンサルテーションとは、カウンセリングよりも一歩踏み込んだものです。ある物事に対して、その見方、取り扱い方、関わり方などを検討し、適格なコメント、アドバイスなどを行います。
こちらは生徒よりも教員や保護者に向けて行われることが多く、カウンセリングよりも支持的な要素が強くなります。そのため、対象者の話を傾聴するのみでなく、対象者に対して見方、意見、コメントなどをすることが求められます。
■アセスメント
アセスメントとは、査定という意味合いがあります。主に相談対象となる生徒に対して、代表的な心理検査を行い、その結果の見方を把握していることが求められます。この場合には、心理検査の目的や必要性などを生徒に正しく説明すること、また結果を説明すること、プライパシーを守ることなどが大切です。
ここで説明したスクールカウンセラーの仕事は、専門性が高い内容も含まれています。実際にスクールカウンセラーとしてどのような仕事を受け持つかは、学校側との相談となることが多いため、臨床心理士や精神科医の資格保持者でない方のスクールカウンセラーとしてのお仕事は、ここで記載している内容と変化することもあるでしょう。
スクールカウンセラーの資格を取得するには
①臨床心理士や精神科医の資格を取得する
臨床心理士の資格取得に関しては、↓↓↓こちらを参考にしてください。
臨床心理士とは《収入・年収など》
精神科医になるためには、まず医師になることが必要です。
医学部を受験・合格し、医学部を修了、国家試験を受け医師免許を取得し、研修医となります。その後2年ほどの研修医機関を終えて、専門科目を選ぶこととなります。この辞典で精神科を選ぶことで、精神科医となります。
②心理学やカウンセリングに関する資格を取得する
上記のように臨床心理士や精神科医でなくとも、近年はスクールカウンセラーになれるようになりました。位置づけとしては、「スクールカウンセラーの準ずる者」というのが一般的です。
スクールカウンセラーに準ずる者であっても、その職務を行うためには心理学やカウンセリングなどの専門知識を修得していること、それらの資格を保有していることが必要となります。
スクールカウンセラーになるためにどような資格が必要かは、採用する自治体や学校により異なるのが現状です。そのため、自分が必要だと感じられる資格、資格取得しやすい資格などを取得し、その後自分でもしっかりと知識を技術を修得していく、前向きな向上心を持っていることが大切です。
スクールカウンセラーの収入
スクールカウンセラーの収入は、①臨床心理士や精神科医の資格を保持している人、と②それ以外の心理学やカウンセリングに関する資格や知識を保持している人、で差があります。
- 臨床心理士や精神科医なら:時給5000~8000円程度
- それ以外の場合なら:時給3000円程度
が一般的なラインです。
スクールカウンセラーは週に30時間程度の勤務が多いため、2つの学校を掛け持ちする場合もありますが、現在は人員不足により、フルタイムと同じくらい勤務が可能な場合もあります。
スクールカウンセラーの求人
スクールカウンセラーの求人は都道府県の教育委員会のHPをチェックするとよいでしょう。
地域によって若干違いはありますが9~11月頃に、次年度のスクールカウンセラーの求人募集が出はじめます。ただし、それぞれの学校について募集人数は少数なため、募集が終了すると削除されていることもあります。
確実な方法として、実際に教育委員会に連絡し、募集を行っているか問い合わせてみるとよいでしょう。各都道府県の教育委員会に問い合わせてみてください。
この他、ハローワークなどでも募集していることもあります。求人を探している場合にはチェックしてみるとよいでしょう。
心理カウンセラーのおすすめ資格
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