心理相談員とは《資格・収入など》


心理相談員とは、特別民間法人中央労働災害防止協会によって認定される資格です。

心理相談員の特徴

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心理相談員は、職場においての心と体の健康づくりの専門スタッフとも言われています。

厚生労働省では、働く人々の心の健康を増進向上を目的とし、「心と体の健康づくり運動=THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)」を推進しています。

この中には「健康測定専門研修」「運動指導専門研修」「心理相談専門研修」「運動実践専門研修」「産業栄養指導専門研修」「産業保健指導専門研修」の6つの研修プランがあり、心理相談員は、このTHP(心と体の健康づくり運動)のうち、3日間の「心理相談専門研修」を受講、登録した人を指すもので、中央労働災害防止協会が実施する研修を受講することとなります。

THP(心と体の健康づくり運動)における心理相談員の役目とは、

  1. メンタルヘルスケアを実施・支援すること
  2. ストレスに対して気付き、その解消を支援すること
  3. リラクゼーションの指導をすること
  4. 良好な職場環境の零囲気づくり(相談しやすい環境)支援すること

などであり、主に企業や職に関わるメンタルヘルスのケアを行っていることがわかります。

また近年、働く人々にとってメンタルヘルスへの対策がより一層重要視される傾向を受け、平成25年より心理相談専門研修がリニューアルされました。カリキュラムには下記のように、より実践に活用できる内容が盛り込まれています。

①『働く人の健康づくりの動向~メンタルヘルス対策の最近の動向~』において、参加者同士の情報交換を含めた時間が設けられた。

②『メンタルヘルスの基礎知識』において、企業で活躍されている産業医から、健康教育の具体的な内容を含めたより現場に近い専門家の話を聞ける時間が設けられた。

③『メンタルヘルスケア技法』において、体験型のカリキュラムが取り入れられた。これによりリラクゼーション法や交流分析の基礎に加え、面接技法では相手への傾聴だけでなく、双方向のコミュニケーションをよくするための伝え方も学習できるようになった・・・など。

これらのカリキュラム変更は、近年働く現場におけるメンタルヘルスケアの重要性の高まりを表しています。心理学の知識を持ち実践現場で活躍できる人材が必要とされていることがわかります。

心理相談員のお仕事

心理相談員は、企業と契約している産業医の指導のもと、カウンセリングや心理療法などを行うことが主な仕事となります。働く人に対し下記のよう様々な支援を行います。

  1. メンタルヘルスケアを実施・支援すること
  2. ストレスに対して気付き、その解消を支援すること
  3. リラクゼーションの指導をすること
  4. 良好な職場環境の零囲気づくり(相談しやすい環境)支援すること

実際に行うお仕事は、働く方々のストレスに対して気づきの援助を行うことや、リラクゼーションの指導を中心としたメンタルヘルスの教育を行うこと、問題や悩みへの 相談対応となります。

時代変化により、生活様式も変化し、それに伴い生活習慣病や精神的疾患のリスクが上昇しています。時代の進歩が高度なストレス社会を創りあげ、これが精神的な関連疾患の発症率を急激に高めていると指摘されています。

これらの疾患や身体機能の低下は、規則正しい食生活や生活習慣、日常的な運動、ストレスの緩和により予防が可能なものだとわかってきています。働く人々の健康を確保していくには、働く人自身が健康にして積極的に努力すること、そして企業側がヘルスケアを重視し必要な対策を行うことが大切であり、このような双方の今後の動きに期待が寄せられています。

心理相談員は、これらの役割を果たすために、職場の精神的健康への対策に必要な知識を身につけていると共に、心と体の両面に配慮した健康づくりについて、理解している必要があります。さらに、これらに対して効果的なアプローチができるための技法を修得していることが大切です。

心理相談員の資格を取得するには

心理相談員の資格を取得するためには、特別民間法人中央労働災害防止協会が行っている3日間の「心理相談専門研修」に参加する必要があります。この研修に参加後、登録を行うことで、心理相談員の名称を取得することができます。

研修の参加費は賛助会員が42,170円、一般の方が47,310円(テキスト代と消費税込み)となっており、東京、大阪などをはじめ、愛知県や広島県でも研修が実施されています。

心理相談員には認定試験などはなく、研修を受けることで取得できる資格ですが、研修を受けるための受講資格が必要です。研修を受けるには、下記の対象者要件に当てはまる必要があります。

  1. 学校教育法による大学(原則として4年制)において、心理系(認定心理士取得可能レベル)、社会福祉系、保健系の正規の学科を修めた卒業者
  2. 運動指導専門研修又はヘルスケア・トレーナー養成研修を修了した者
  3. 保健師の資格保持者
  4. 看護師の資格保持者で健康に関する面接又は相談の経験を1年以上有する者
  5. 助産師の資格保持者で健康に関する面接又は相談の経験を1年以上有する者
  6. 衛生管理者の資格保持者で健康に関する面接又は相談の経験を3年以上有する者
  7. 労働衛生コンサルタント(保健衛生)の資格保持者で健康に関する面接又は相談の経験を2年以上有する者
  8. その他、1~7までと同等の資格を有していると認められる者

このように研修受講資格を獲得すること自体の難易度が高いため、心理相談員を目指す方は高校卒業までに進路を決め、関連大学や職業に進む必要があります。

登録料は6000円(税別)となっており、登録有効期限は3年間です。登録の更新にはレベルアップのための研修単位が6単位以上が必要となり、3年間の登録有効期限内に必要な単位数を満たす必要があります。

計画的に単位を取得し、常に最新の情報を入手するよう努力することが大切です。

心理相談員の収入

心理相談員は、単独の資格として就職する例は少なく、多くの資格登録者の方は他の仕事にプラスする形で資格を取られています。

例えば、産業カウンセラーとして働いている方が、より知識を深めたり、技術向上のために研修を受ける、また企業で総務部に所属されている方が、企業内のメンタルヘルスケア対策のために資格を取得する、などです。

そのため、収入としては、元の職業の年収によるところが大きくなりますが、心理相談員の資格をとってスキルアップすることで、昇進や独立などに一歩近づくことで年収アップが期待出来る場合もあります。


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