応用心理士とは、日本応用心理学会が認定する民間資格です。
応用心理士の特徴
応用心理士の認定を行っている日本応用心理学会は、1936年に設立されました。
日本応用心理学会とは
現代は様々な心理学に関する話題が人気となり、多くのメディアでも心理学に関する内容が取り上げられたり、占いやゲームのような感覚で幅広い年代に浸透しています。
しかしその一方で、現代に氾濫する心理学は、科学として心理学に誤解が生じている部分も多くあります。また心理学といえば心理臨床に関する特殊な実験や治療に使用するものであるという、認識の偏りもあります。
現代心理学の領域は実は非常に広く、人間が活動する場所は全て心理学の研究分野であるという考えの元、日々研究や発表を行っているのが日本応用心理学会です。
応用心理士の資格を取得することによって「個人や集団の心理学的指導に努力している人々の社会的地位を承認するための一助」になるとの考えのもと、学会の一員として心理学界の発展のために貢献することもできるかもしれません。
応用心理士の仕事
応用心理士とは、資格であり免許(ライセンス)ではないため、他の資格同様、心理学に関する特定の業務が独占できることを保証するものではありません。
そのため、応用心理士としての仕事があるわけではありませんが、この資格を取得することにより、今就いている職業での心理学的専門性を示しやすくなります。また資格取得により保持している知識への信頼性が増すこともメリットの一つでしょう。
この辺りは、他の民間資格とも共通する部分です。
応用心理士として仕事を探すよりも、現在従事している仕事にその心理学的知識を応用したり、幅広く活動していくことが推奨されています。
応用心理士の資格を取得するには
応用心理士の資格を取得するには、日本応用心理学会に入会してから満2年経過していること、また資格申請を行う現在でも会員であることが基本条件となっています。
日本応用心理学会への入会条件
資格取得のためには、まずは日本応用心理学会に入会する必要があります。入会資格は、4年制大学で心理学及びその隣接分野を専攻した方、またこれに準じる方、とされています。
隣接分野とは教育学、児童学、人間関係学、体育学、社会学、社会福祉学、芸術学、宗教学、医学(心身医学、精神医学、行動医学など)、看護学、経営学、認知科学(人工頭脳など)、人間工学などの分野が対象となります。
また、高校卒業の場合は、その後の学歴、職歴をできるだけ詳しく記載することで、「これに準じる」という項目に該当するかどうかを、判断してもらうことができます。
応用心理士の資格取得条件
その上で、下記の4つのどれか1つに該当すること、応用心理学の専門職としての資質があると認められることが資格認定ために必要な基本の要件となりますが、もし下記のどの条件も完全に満たせない場合には、該当する内容の総合的判断によって認定か否かが判断されます。
- 学校教育法に定められた大学または大学院において、心理学専攻又はこれに準ずる分野を卒業あるいは修了した方。学位授与機構の審査により学士の学位を授与された方も含まれます。
- 応用心理学会機関誌『応用心理学研究』に1件以上の研究論文(共著も含まれます)を発表した方、または学会の年次大会において2件以上の研究発表(単独発表または責任発表のもの)をした方。
- 認定審査委員会が応用心理学と関係があると認めた専門職で、3年以上の経験を持っている方。
- 応用心理学と関係ある職で3年以上の経験があり、学会研修委員会企画の「研修会」に5回以上参加した方(申請時に5回分の「受講証明書」を添付する必要があります)。
これらの条件を満たし、資格認定手順にしたがって申請を行うことで審査が開始されます。
審査には、審査料として10,000円、また認定となった場合には認定料として30,000円が必要となります。
また学会を退会すると、同時に資格も失効となるため注意が必要です。
応用心理学会に所属するには、一般会員の方の場合年8,000円の年会費が必要です。
応用心理士の収入
上でも説明したように、応用心理士は資格であり免許ではないため、取得したことで特定の職業に就職できるというものではありませんので、その点はしっかり認識しておく必要があります。
また、応用心理士の資格を取得しても、一人で全てのことが完璧に行えるわけではありません。
心理関係という仕事の重要性を考慮し、人事・労務関係、医療・看護関係、司法矯正関係、交通関係、教育関係、相談関係などいかなる分野の職業であっても、自分が従事する仕事に専門的知識を活用しながら、十分配慮して活動することが推奨されています。
そのことを考慮した上で、応用心理士が活躍している職場についても見て行きましょう。
応用心理学とは、もともとその性質上、心理学を生活のなかの様々な方面に応用していく学問です。 学会で発行しているニュースレターを見ると、スクールカウンセラー、鑑別所の専門官、大学教授などの原稿が掲載されており、学んだ知識や技術の活かし方は人それぞれ何通りもあるということがわかります。
収入は、自分が持ち専門知識をどのような職場で活かすかによっても異なりますので、自分の適正や現在の職業などから、しっかり判断、方向性を決定する必要があります。
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